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錆びたトタン板に絵を描くと





いきなりですが錆びたトタン板が好きです。
寂れた感じが何とも言えません。
(寂れは古くなって趣が出る、味わいがあるという意味です)

どうして好きか? 味わいがたまりません
昭和のレトロも感じます。歳月の存在を感じさせます。
これからの創作のテーマ、モチーフにしても良いかなと思っています。
絵で描いてみたいから好きなのか、好きなので描きたいのか 分かりません。

田舎に住んでいると古い廃屋や家屋、農家の納屋、田や畑にある木材置き場
などの屋根や壁によく見られます。
民家や田畑をよく描くので、錆びたトタン板が入り、アクセントにもなります。

そんなトタン板にちょっと感心させられることがありました。
通勤途上ですが、農家だと思うのですが、屋根・壁ともかなり錆びた
小屋があります。全体が赤茶で覆われています。
いいなあと思っていました。
それがある日、変身したのです。
道路から見る面にムーミンとニョロニョロが大きく描かれているのです。
かわいくて、思わずニコッとなりました。
コロナ禍で、沈みがちな世の中なので明るくしようという意図だと思います。
気持ちが和み、明るくなりました。
多分目にした人は皆そうなるでしょう。

絵の力はすごいなと改めて思いました。
それまでの寂びの世界から、どんでん返しのようにまったく別のファンタジーの
景色になってしまった。これって何なんだと。
このコンビネーションの妙、再生の意味もあるのですかね。作者のセンスと温かみ
を感じます。

絵によって景色が変わる似た例はあるか?
古いですがトラック野郎のパネルに描かれたもの(トラックの重機感が薄らぎ派手に)
工事現場の囲いに描かれたもの(工事現場を少しでもさわやかに?ですかね)
最近、話題のバンクシーの壁画
(話題性がありますね。芸術なので被塗物との関係性を考えたいです)
絵ではないけどプロジェクションマッピング。(どうなんでしょう)

やはり、支持体(被塗物)に何か意味が欲しいですね。
描くことによって、意味が出てくるでもいいと思います。

佐伯祐三の作品に「共同便所(1928年)」というものがあります。
ご存知のとおり大正・昭和初期に主にパリで活動し、短くも燃えた夭折の画家
ですね。(30歳)(パリの街角、壁の表現がすごいです)
油彩を始めたころから好きな画家です。
「共同便所」はパリの街にあって鉄でできています。
囲いの鉄板が渦巻き状に巻かれているのでエスカルゴという愛称もあるそうです。
この鉄が錆びていて、塊に見えます。その表面にポスターが貼られていて
このコンビネーションがいいです。
ポスターがなければ、重厚な重苦しい雰囲気のままだったと思います。
そんな景色に目を付けた佐伯の感性は素晴らしいですね。
現在では都会や街の施設などで、お洒落に錆びた鉄板を使用している例は
そんなに珍しくないかもしれません。
今回紹介した例は個人ベースなので発想の原点が違います。

上の絵は、錆びたトタン屋根の古民家(廃屋)を描き(昔撮影した写真が元)、
その上に超対照的な人物のイラストを合成し、試してみました。
イラストは都会的でビジュアルが華やかなアメリカのミュージシャンP!NKを描きました。
(下のイラストです)
合成はパソコンのソフトを使いました。
景色、変わりましたかねー。ポップな民家になりました。家が大きすぎたかもしれません。
ムーミンほど馴染みがないのですっと入ってきませんですかね



at 20:36, まっちブログ, 工場長 新井

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