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ぼんやり



NHK朝ドラ「スカーレット」が放送終了になりました。
半年間、楽しく拝見させて頂きました。ありがとうございます。

その中で、印象に残っている言葉があります。
主人公 川原喜美子(戸田恵梨香さん)が勤めた丸熊陶業の絵付け指導者 深野心仙(イッセー尾形さん)の
言葉です。
会社を去ることになり、行く末の身の処し方を語った時です。
「こんなことをぼんやり考えていた」のだと最後に言った言葉です。

「ぼんやり考える」普段なかなか使いません。
ぼんやりという言葉、辞書で調べれば 間が抜けている、ぼやけている、気持ちが集中していない
などマイナスイメージばかりです。
でも、ドラマでの言葉は悪いイメージではなく、何かを変えたいと思う前向きなイメージが先に来ました。
なぜか心に響きました。
普段から心のどこかに引っかかっていて、希望も少しあってという感じです。
何かを行動に移すのにそれを考える過程が大事な感じがします。肩肘張らずに自然に。
最後はぼんやりをはっきりさせていく。

絵画でもぼんやり描く表現があり、効果的に絵の魅力を高めています。
これもマイナスイメージではありません。
一番初めに思い出すのは長谷川等伯の「松林図屏風」です。
霧なのでしょうか奥にある松の木をぼんやり描いて近くの松の木を引き立てています。遠近も。
かと言って、主従の関係ではなくどちらも主張しています。
空白も生きていて空間を感じさせる。見る人が頭の中で作り上げる作品です。
大傑作ですね。(日本人に人気の絵ですね)

坂本繁二郎の馬の絵もぼんやり描かれています。
これは松林図とは違い全体がぼんやりとしていて、効果は全然違います。
馬が光に包まれ、やさしく温かい感じで自然と一体の生命を感じます。
そして馬への愛情が伝わってきます。ぼんやりはマイナスイメージではありません。

上の絵は昔ベネチアに行った時の写真を元に描きました。
3月で霧に覆われていました。
遠くにサンタ・マリア・デラ・サルーテ聖堂が見えますが殆どシルエットで、
ぼんやりして威厳よりもやさしい雰囲気です。
ぼんやりはいいです。


at 17:37, まっちブログ, 工場長 新井

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