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祈りのサンタ・マリア・デラ・サルーテ聖堂



新型コロナウイルスによる疫病が世界を席巻して、深刻な事態になっています。
特にイタリアでは被害が大きく心配です。

世界的な感染で連想するのはペスト(黒死病)です。
ヨーロッパでは14世紀、15世紀、16世紀に大流行しました。
イタリアはアジアからヨーロッパへの感染の入口だったようです。
その当時は当然医学も発達していないので、人々は神の罰だと思い自身を責めたそうです。
お互いに鞭を打ち行進し、懺悔することもあったそうです。悲惨ですね。
人々は死への恐怖を感じ(メメント・モーリと言うんですか)、世の無常を感じていたでしょう。
死の恐怖を描いた「死の勝利」(1376年頃)というフレスコ画がピサの霊廟に残っているそうです。
死者や骸骨や死神が象徴的に描かれ、それは恐ろしい世界です。
ベネチアでも感染は広がり、17世紀にはひと月に15万5千人近くの人が亡くなったそうです。
ベネチアの人々は疫病の終息を祈り新しい聖堂を建設しました。
この聖堂(教会)はサンタ・マリア・デラ・サルーテという名でその祈りは現在まで続いて、
毎年11月21日にお祭りを開いています。(そこに向かう船橋を架けます)
その教会はベネチアで一番美しい教会と言われています。
私もかなり昔に観光で行きましたが、この教会は遠くからしか見ていませんでした。
それも霧でかすんでいて。(これも幻想的で素敵でしたが)

祈りの日(ミサ)の光景を描いた絵があります。
グゥアルディという画家が描いた「サンタ・マリア・デラ・サルーテ聖堂への行進」というタイトルの。
(ルーブル美術館蔵)
1770年の作なので、かなり後に描かれたものです。
でも、ベネチア人の行列がすごくて、信仰の深さが偲ばれます。

悲観ばかりしてはいけません。
人々の信仰のもと(そう思いたいです)、ペストの終息に向かうと同時にあの輝かしい文化ルネサンスが
開花しました。死に対し生を謳歌する文化です。
その文化はその後も影響を及ぼし今も私たち現代人を魅了してやみません。
歴史的な芸術作品を鑑賞でき、その精神に触れることができて幸せです。

今、新型コロナウイルスの猛威にさらされていますが、万全な予防をして何とか消息させ
明るい将来が開けていることに希望をもっていたいですね。
心にサンタ・マリア・デラ・サルーテ聖堂に相当するものを思い描いて。

上の絵はグゥアルディの「サンタ・マリア・デラ・サルーテ聖堂への行進」を元に描きました。

at 14:02, まっちブログ, 工場長 新井

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