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里の春、山の春



3月も半ばになりますといよいよ春本番になっていきます。
東京の桜も咲いたそうで、今年は早いですね。
春は徐々に進んでいきます。
しかし我が家の付近も暖かくはなったのですが、また雪が降ったり
しています。
朝起きたら、山の方は白くなっていました。

新美南吉の童話作品に「里の春、山の春」があります。
タイトル通り、里の春と山の春の話です。
山で生まれた小鹿が里に下りてきて初めての春を体感して帰る話です。
山はまだ春になっていません。
里に下りて初めてサクラの花を見、知らないおじいさんにやさしくされ、
桜の花の枝を角に付けてもらって、促されて山に帰るという話ですが、
きわめてシンプル。
山には優しい父母がいます。これからの小鹿の成長を感じさせる愛を感じる
春の出来事でした。

春の進みも里と山では大きく違います。
いつも遠くから山を見ていますが、そこに行けば様子は違っていて別世界です。
人の存在のない、神も宿るという神聖なエリアです。
ところが、最近は環境の変化か、近づいてきてしまっています。
クマや、イノシシ、サルなどの獣が里に下りて来ています。
動物に罪はなく、人間のせいだと思うと複雑です。
今、人を苦しめているコロナウイルスもそんなことが一因ではないでしょうか。
ある程度、山とは距離をもった方が良いと個人的には思います。
新美南吉は違いを肯定したかったかもしれません。

絵本があって、絵は日本画家の鈴木靖将先生です。
日本画の技巧が生かされて、私的には琳派の雰囲気があるように見えます。
(野々村仁清や鈴木鈴木其一など)
豊かで華やいだ春です。
良い絵本ですので、是非ご覧ください。

春の変化の奥深さに敏感でいたいと思います。

at 17:33, まっちブログ, 工場長 新井

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