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平山郁夫展とシルクロード



上田市市立美術館サントミューゼに「平山郁夫展」に行って来ました。
(今日、11月12日で終了)
「悠久の旅とシルクロードの遺宝」とサブタイトルがついています。

平山先生は、仏教美術の源流を追い求めて調査、研究をされました。
シルクロードを辿り、160回も現地取材したそうです。
そして、それを元にイメージを具現化し、作品にされました。
静謐で幻想的なその世界は、太古のシルクロードを思い起こさせるロマンのあるものです。

日本画は従来、情緒的な花鳥風月を描いて日本人だけに分かればいいという風潮があったそうです。
それを平山先生は、打ち破りシルクロードの砂漠やラクダなどを描いて、日本画の新しい方向を
切り開いてこられました。

閉塞間のあった日本画の世界を大きく変えて、可能性を導いてくれました。
今の、日本画界があるのも先生のお力が大きいと思います。

作品はシルクロードを行く隊商や、当時の遺跡や石仏などあり古代へのロマンがあります。
色彩は特に青色から緑色が清らかで深い色合いが大変きれいでした。
日本画の岩絵の具の色もいいものですね。

画題はシルクロードのエキゾチックなもの以外にも日本の美を追い求めたものもありました。
シルクロードの乾いたスケールの大きい景観に対し、日本の湿潤でしっとりした景観を見事に
表現されています。
先生は日本の美も追い求めてこられました。これも日本人として嬉しい気持ちになります。

展覧会は先生の作品の他、シルクロードの考古遺物も展示されていました。
先生は、世界の文化財保護の活動も精力的に行ってこられました。
その中でのコレクションの展示です。

へーっと驚くのは仏教美術の源流でもあるガンダーラ地方の仏像です。
ご存知でしょうが、仏教はインドで生まれ、北方のガンダーラに渡り、シルクロードを伝って
日本に伝来しました。
仏像はガンダーラ地方で、初めて作られたそうです。
アレキサンダーの兵の子孫が作ったので、ギリシャの文化(ヘレニズム)の影響を受けています。
ギリシャ彫刻の遺伝子が入っているのですねー。
だから、弥勒菩薩像なんか、彫りが深くバタ臭いイケメンですよ。髭まで貯えて人間臭い。
日本にある広隆寺の弥勒菩薩像は中国・朝鮮の影響を受けているかもしれませんが、あっさりした
お顔立ちです。
線も単純化され、曲線美が強調されていて象徴的です。
シルクロードを長い時間をかけて伝わってきて、その地方、地方の影響を受けて こんなにも
変わるんですねー。
歴史、文化、技術・・・いろいろあっておもしろいです。

平山先生、お亡くなりになられて、もう8年が経ちました。
今も、その残念な強い気持ちは変わりません。
奈良や京都、そのほかのお寺さんを巡る機会があれば、遠くガンダーラ、敦煌など昔のシルクロードの地に
思いをはせ、見学したいと思います。

at 19:10, まっちブログ, 工場長 新井

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