麦秋



麦の穂が色づき、刈り入れの時期です。
既に終わった地方もあるでしょうかね。
ここ信州は少し前から今が ちょうどその時です。

麦、大人になってからはあまり意識してこなかったです。
子供の頃、今よりは栽培量が多く通学路では身近な存在でした。
まだ風が冷たい春先に、一足先に緑の葉を成長させ目に新鮮に映ります。
肌寒さと緑の優しい感覚が頭の中に残っていて、麦畑を見ると懐かしくなります。

米は春に田植え、夏に成長し秋に実り刈り入れと、シーズンとしては「暖」の時期です。
また、日本人の食生活のメインになるので文化的にも意識されます。
ある意味華やかです。
一方、麦は秋に種まき、冬を越し春に成長、初夏に実り刈り入れとなりどちらかと言えば「寒」の時期です。
寒い間は野外への関心が薄れ、春以降は視覚的には他の草花に目が行きます。
食材としては、かなり口にしているのですが、栽培の姿はあまり注目されません。淋しい。
一年に裏表はありませんが、米に比べ裏の存在的になっているような感じで地味です。
栽培の中で麦踏という作業もあります。成長点を刺激するのだそうです。
これもなんと、哀れを誘うではありませんか、一方的に踏まれるのですよ。
麦が愛おしくなります。

「麦秋」この秋は収穫の意味で麦の収穫時ということらしいです。
きれいな言葉ですね。
こんな俳句があります。
「クレヨンの黄を麦秋のために折る」林桂
広い麦畑をクレヨンで描き、思わず力が入り折ってしまったということでしょうか?
それとも、塗るのに半分の長さにして腹で描くのか?
黄色く広がる、風景に感激したのでしょうか。
ゴッホの絵も想起させます。
これからすると決して地味な存在ではないのかなー。初夏だけ見れば、
見る側の問題ですかね。

上のスケッチは、信州上田塩田平の麦畑です。(2週間前)
小麦だと思います。
ブライトカラー使用です

at 19:02, まっちブログ, 工場長 新井

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道具を大事にしましょう



朝と昼休みに工場の裏庭の草刈りをしています。(4月〜10月)
(放っておくとすぐに伸びて、背丈ぐらいになります。蚊が出るし、花粉も出ます。)
これがしかし、使っている鎌が古く(おそらく20年以上)よく刈れません。
力任せに振り回し、息が切れます。
時々研いでいたのですが、すり減り、石にぶつけたりして刃こぼれもしていました。
徐々の変化ですので、あまり気にならないでいたのですが、とうとうこれではあきまへん!
となり、ホームセンターで新品を買いました。

そうしたら、なんと切れ味の良いことに驚きました。
500円の安物ですが、こんなにも違うものかと。
軽い力でさくさく、きれいに刈れます。しかも根元で。
こうなると、不思議。刈るのが楽しくなります。
もっと刈りたくなります。
道具って大事だなと思った次第です。気持ちまで変わります。ほんとに。

これって、絵の道具でも同じですよね。
筆、パレット、チューブ、筆洗器などです。
いつも大事に、きれいにしておきたいものです。
筆は使用後丁寧に洗う、石鹸で丁寧に。根元に絵の具が残らないように。
絵の具が残っていると絵の具の含みも悪く、描き心地が悪なります。
色も混じってしまいます。
くせがついたおくれ毛は短く切ります。(1〜2本なら)
チューブもネジ部分は絵の具が残って固まらないよう拭き取ります。(キャップ裏も)
パレットも色を混ぜるところはきれいにしたいものです。
使う面積がどんどん減っていかないように。残っている絵の具が混じらないように。
その他もきれいに掃除、メンテしたいですね。
もうどうしようもなく使い古したものは、思い切って買い替えましょう。
(古いもので描くと良い効果が出る場合は別)
新品はいいですよ。
鎌と同じように、絵を描く気持ちが違ってくると思います。快適に描けます。
もっと描きたくなると思います。楽しくなります。
皆さんご承知ですよねー。




at 22:07, まっちブログ, 工場長 新井

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信州あっちこっちスケッチ 長野市大岡地区





長野市大岡地区(平成17年に長野市と合併する前は大岡村)に行って来ました。
実は来年の公募展出品で秋の紅葉を描く予定で、その一候補になっているため
今から下調べです。
もちろんスケッチもしてきましたよ。
上の絵がそうですが、田植えが終わった棚田ですが、苗はあえて描いていません。
反射を強調したいので。(実は手抜き)色も塗っていません。

大岡は我工場のある千曲市から西に約25辧海抜は450mから900mで
急な傾斜地に点々と集落が形成されています。
そのため、地形は変化に富み、メリハリのある風景が描けます。
棚田も多いです。
なんといっても西に北アルプスの連峰が望め、雄大な景色が楽しめます。
集落はのどかで温かい雰囲気です。
季節のメリハリもあり、四季ごとに趣が違って味わいがあると思います。

大岡で有名なのは、道祖神の飾りしめ縄です。(上の写真は芦ノ尻の道祖神です)
今は長野県の無形民俗文化財になっています。
藁で神面を形作り、怖くもありユーモラスでもあります。
水木先生の妖怪に通じるものがあります。おおらかでいいです。
長野冬季オリンピック開会式にも登場しましたね。

今日は梅雨前のさわやかな気候で、リフレッシュできました。
梅雨入り前にせっせとスケッチしたいです。

at 18:23, まっちブログ, 工場長 新井

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赤い風船・白い馬



第71回カンヌ国際映画祭で日本の映画「万引き家族」がパルム・ドール賞を
受賞しましたね。
是枝監督、出演者の皆さん本当におめでとうございます。
日本人として誇らしいです。
封切られたら是非観たいと思っております。

日本人監督としての受賞は21年以来らしいですね。
パルム・ドール賞で思い出すのはフランス映画の「白い馬」「赤い風船」です。
どちらもアルベール・ラモリス監督作品で、タイトルに色の名前がついているので
感心を引きます。
「白い馬」は1953年、「赤い風船」は1956年の受賞です。
日本では劇場で上映されなくなりましたが、2008年にデジタルリマスターされました。
その時レンタルで借り初めて見ました。
映像がきれいで、戦後間もない頃の作品だとはとても思えないものです。
内容は心温まるファンタジーで、セリフも大変少なく絵本の映画化のような感じです。
「赤い風船」はパリが舞台ですが、あちこちに爆撃で建物が壊された後の瓦礫が目につきます。
そんな時代なのに、子供たちがいききしています。
風船の赤はそんな戦後の希望の色でしょうか。青い風船も出てきます。
いわさきちひろさんも、絵本化しています。

「白い馬」は南仏プロバンス地方のカマルグの湿地帯が舞台。
そこには野生の白馬が群れを成して生息しています。
またフラミンゴが生息しており、ヨーロッパでは唯一稲作が行われている地域です。
白黒映像ですが、水と日差しが美しく、静寂ですが馬の躍動感が素晴らしいです。
走る馬をあの時代どうやって追いかけ撮影したのか、信じられないです。
主人公の少年も美しく、魅せられます。「万引き家族」の少年も話題になっていますが
こちらも大変なものです。主人公の馬も美しいですよ。
それぞれ子供と風船、子供と馬との心の交流、ファンタジーです。
お勧めの映画です。

タイトルは赤。青い風船も出てきて馬が白。
フランスの国旗のトリコロールカラーになりますが、考えすぎでしょうね。

at 23:03, まっちブログ, 工場長 新井

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季節の移り変わり



暑い日が続き、もう初夏とは言えない気候になってきました。
昨日、スケッチに行って来ました。
暑くなると思っていましたが、日差しは強いのに風が冷たくて寒いくらいでした。
大陸からの冷気が下りてきたからなんですねー。
「青嵐(あおあらし)」ではないので、こういう風はなんと言うのでしょうかね。

行った先は、信州東御市の田楽平地区。
標高700m前後。粘土質土壌と日照時間が長いので、良質なコシヒカリ「八重原米」の産地だそうです。
だから田楽かな。
写真愛好家が撮影する一本の大きな柿の木があるスポットがあります。
東に浅間山、南に蓼科山を望み(上の方だけですが)眼下に広がる田園風景が清々しく、癒されます。
草地に座って食べた弁当が美味しかったなー。
近くに「梅野記念絵画館」という素敵な美術館もあります。機会があれば訪れてみて下さい。

草木の緑も濃くなっています。1〜2週間前とは明らかに変わっています。
水が張られた田んぼも、ちらほら見え始め、ああ田植えが始まるんだなーと。(八重原米ですね)。
ニセアカシアの下で描きましたが、その花が盛りを過ぎてボタボタと頭の上に落ちてきます。
毛虫も出てきて「こんにちは!一緒に遊びましょ」とは言われませんでしたが、色鮮やかな
オレンジラインで夏を感じます。(モンシロドクガだと思います)
いろいろあって、季節の移り変わりを感じます。
やはり外に出かけないと、分からないことですよねー。
スケッチがあるから出かける気になるので、スケッチ ありがとうです。
お供の絵の具にもありがとうです。

at 19:32, まっちブログ, 工場長 新井

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上村松園



今回は長くなります。お付き合いのほどを。
「上村松園展」に行ってきました。
長野市の水野美術館です。(5/27まで開催)

上村松園はご存知 日本画の大家で、美人画で有名ですね。
明治・大正・昭和と活躍しましたが、女性の地位がまだ確立していない時代だったので
その苦労は大変だったようです。
でも強い意志で画業に邁進し、同時代で鏑木清方と美人画の双璧と言われました。
そして昭和23年に、女性で初めて文化勲章を受章しました。
晩年で、何かの宴席だと思いますが横山大観と並んでいる写真がありましたが、凛として
立派な佇まいでした。

松園を初めて知ったのは今から45年前、アサヒグラフの「描かれた日本の女性」特集で
知りました。
「晴日」(昭和16年)という作品が載っていて、若い女性(奥様らしいです)が
伸子(しんし)張りをしている様子を横から描いています。
(伸子張りは着物の反物を乾かすときなどに竹ひごを 耳から耳に掛けて生地を伸ばす
ことです。)
着ている着物は若竹色を薄くした さわやかな色ですが、掛け襟の色が黒で きりっと
しまっていて画面全体に緊張感を与えています。
この人物のきまじめさみたいなものが伝わってきます。
でも髪に桜を挿しているところをみると、お茶目か遊び心がある人物だと思います。
それまで、絵に黒を使うとか、混ぜたりしなくて、色としてそんなに意識したことが
なかったので、この黒にやられたという感じでした。
それから松園に魅かれて画集を買いました。
そうしたら素晴らしい作品ばかりで、本当に好きな画家になりました。
日本文化の良さも感じることが出来ました。
今回、この絵に対面でき、感激しました。

観賞して感じたこと、まず色彩がきれい。
日本の色です。女性ならではの感性の色だと思います。

美人画専門に描いてきましたが、女性視線の作品で優しい気品のある、そして日本の
文化、風俗、季節の良さをしっとり表現しています。
ご自分のことを「私の一生は姉様遊びをして過ごしたようなものです」と言われた
そうです。
着物や和ものの装身具、髷に対する関心が高くよく研究して作品に生かされています。
また、謡曲や能にも親しみ、そこから作品のモチーフにしています。
漢学にも精通し、読書もよくしたそうです。
そこから生まれる独自の世界、素晴らしいです。
季節感も、着物や小物でさりげなく表現し日本の感性です。

もう一つ、線が素晴らしいです。
美しく流麗で、無駄が全然ありません。気持ちがいいです。
力強い線、繊細な線、濃い線、淡い線、自由自在です。
相当、デッサンを積み重ねたことでしょう。
筆のテクニックがすごくて、心と体と筆が一体と言う感じです。

松園は縮図(今でいう描画、デッサン)を大事にしていて、いつも縮図帳と矢立を
持ち歩きスケッチしていたそうです。
師匠や昔の絵を模写もよくしたそうです。
本人は、描き終えた縮図帳をみると、そのものをはっきり思い出すことが出来る、
苦労して描くから把握できる。と言っています。
また筆の訓練にもなったようです。
やはり苦労しなければいけませんね。難しいものこそ逃げないで向き合って描かねば
なりませんね。
下絵も。縮図もすべて墨と筆。どんなに細い線も筆。すごいです。
鉛筆だと消せますが、墨はそうはいきません。集中力すごいです。
下絵は、紙を重ねて描き直したようですが。縮図はそうはいきません。
書き溜めた縮図帳を火災で焼失してしまい、残念な思いをしたそうです。
縮図は命と同じくらい大事だと言ったそうです。

作品のヒントはどのように生まれるのか?についてこう語っています。
(略して書いています)
「床に入ると新聞か雑誌を読み眠気がさしてくる。そして体を伸ばして静かに手を
胸に組んで目をつぶる。
静かにしていると、閉じた目の前に美しい様々な色彩が浮かぶ、昔見た美しいとじ糸が
ついた絵日傘が浮かぶ。
いつか見た絵巻物が鮮やかに展開する。いつか眠りにつきます。一週間もすると、
具体的なヒントになる。」
(現代日本美人画全集1 上村松園 集英社 より参照しました)

これは今までの経験や、修練が蓄積したからこそ生じていることでしょうね。
「私は一日中画のことで頭がいっぱいです」と言っていますので、これはすごいこと
ですね。
何かやるにしても少しでも見習いたいですね。

長くてすみませんでした。

at 18:49, まっちブログ, 工場長 新井

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月刊スピリッツで紹介されました。



小学館様のマンガ雑誌「月刊スピリッツ」に「きまじめ姫と文房具王子」という作品があります。
「文房具”にまつわる、新感覚人間ドラマ」と言うテーマで、文房具に対するこだわり、思い入れが
伝わる作品です。
その6月号、第13話「児童文具#2」の中で弊社製品「ベイシックカラー透明水彩3原色セット」が
紹介されています。
製品の説明が簡潔にされており、ストーリーのテーマに沿って弊社の思っていることも伝えてくれています。
本当に嬉しく感謝の気持ちでいっぱいです。
小学館のHPは下記ですので、ご参照下さい。
https://bigcomicbros.net/magazine/spirits_m/

実は作者の藤原嗚呼子先生は弊社のお取引様店舗のお客様で、そこから購入頂きました縁で、掲載になりました。
そして実際に絵の具を使ってツイッターでも紹介して下さっています。
https://twitter.com/aako_f
本当にありがたいことです。
作品も面白く、考えさせられるテーマでした。
漫画の力です。
皆さまにも読んで頂けたら嬉しく思います。

at 17:55, まっちブログ, 工場長 新井

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新緑





もう初夏の陽気になりましたね。
木々の若葉が美しい季節です。
一年で一番緑の変化が大きい季節で、見ていてウキウキします。
この時期もっと長く続いてほしいのですが、かないませんねー。
紅葉は唱歌「もみじ」がありますが、新緑の唱歌はありませんですね。
・・・・あっ!ありました。「茶摘み」です。
♪野にも山にも若葉が茂る〜♪と。一面緑の景色が目に浮かびます。
でも、「もみじ」と違って主役ではありません。残念。

俳句の世界では沢山ありますよ(青葉、若葉、新緑と)
色の濃淡を詠んだ句がありました。
「濃く薄く奥ある色や谷若葉」太祇(たいぎ)  です。
太祇さんは江戸中期の俳人だそうで、どんな感性の人物だったのか興味が湧きます。

今日、上田市真田地区にスケッチに行きました。
ドラマ「真田丸」が終わり、地元の盛り上がりは沈静化した感じですが、上田市市街地は
「真田まつり」で賑わっていたようです。
(草刈さんいつも真田昌幸役で来られます。人気あるなー)

上のスケッチは今日のものです。実際にはもっと色の変化がありましたのでいまいちですね。
でもさわやかでしょー?
新緑がきれいで、傍の用水のせせらぎの音と風がさわやかで、リフレッシュできました。
いろいろな緑を混色で作るのも楽しいものでした。
ブライトカラーで描きましたが、3原色でもいろいろできますよ。もちろん他の製品でもできます。
下はベイシックカラー3原色(イエロー、ブルー、マゼンタ)で緑色のバリエーションを
作ってみました。
おおざっぱに作りましたが無限にできます。ちょっとしたバランスで色味がかわります。
うすく伸ばしグラデーションで塗っていますので、それぞれの部位も独立した色です。
また、これらに別の色を薄く重ねて塗ってもまた違った効果の色ができます。
皆さんも混色を楽しんで下さい。

at 21:00, まっちブログ, 工場長 新井

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アヤメ



ここにきて、暑くなってきました。夏日、真夏日などの言葉も聞かれます。
衣類の対応が大変ですね。

いつもなら5月に咲くはずの我が家のアヤメが咲いています。
きれいな青紫のヒラヒラの花びらで、なんというか装飾的で優雅?
どう表現すればいいんでしょうか。
だらしないと言えばだらしない形でそれが趣でしょうが、描くのが難しいです。

ところで、アヤメ、ハナショウブ、カキツバタが似ていて区別がつかん!
なんてよく言われます。
ネットで調べればみんな、アヤメ科、アヤメ属で同じですが、生える場所や
花びら、葉の特長が違っています。(ネットで調べてみて下さい)
アヤメは乾いた土地に自生するそうです。
五月の節句にする しょうぶ湯のショウブは全く違う種のようです。
(花なんか全然違います)

この三つ、名前を覚えた順番覚えていますか。
私は記憶に頼れば アヤメ、ハナショウブ、カキツバタでしょうかね。
それぞれの違いは意識していませんでした。というか無関心。
順番の背景は分かりませんが、育った土地柄や家族からの情報でしょうね。
カキツバタなどは、尾形光琳の絵で印象を強めましたかね。
「いずれあやめかかきつばた」という諺も関係あるかもしれません。

ところで、岡田三郎助画伯の「あやめの衣」という作品があります。
着物の片肌脱いだ女性の後ろ姿ですが、艶っぽいというかそんな絵です。
師である黒田清輝画伯の影響がありますかね。
着物のアヤメ柄がイメージによく合っています。
そのアヤメの色は白く、地の色が青紫で、反転させています。アクセントに朱の帯状の柄。
この絵は、青紫がメインテーマのような感じもします。
色彩の効果・イメージ大事ですね。

まっち絵の具には、ウルトラマリンとマゼンタ(ローズ)がありますので、その
混色できれいな青紫ができます。
是非お試し下さい。


at 21:45, まっちブログ, 工場長 新井

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かくかくしかじか



漫画「かくかくしかじか」を遅ればせながら読みました。
すっかりのめり込みました。すごく面白かったです。
2015年のマンガ大賞だったのですね。
読んでいて最期は涙ぐみそうになりました。
(泣いた方も多いと思います。)
(作者もスタッフも泣きながら最後を描いたそうです。)

作者である東村アキコ先生の青春譚で、高校から職業漫画家になるまでの自伝で、東村先生と
深く関わった人物との物語です。
その内容は美談ばかりだけではなく むしろ後悔することがクローズアップされた内容で、
赤裸々に描かれています。
だからこそリアルで、ずしりと重みがあり、各世代に強く訴える内容になっています。
私など青春などとっくに過ぎ、朱夏も過ぎている身ですが、自分の歴史と重ね合わせて
身につまされる部分も大いにありました。
一番は楽しかったけど無為に過ごしてしまったなーということです。
でも、その時分は切実ではないんですよねー。それが青春かも。

内容はユーモアもあり、思わず笑ってしまうこともたくさんあり楽しめました。
先生のキャラに負うところかも。先生面白い。(ギャグ漫画家として名が通っているんですよね)
現在の漫画の表現の幅はすごく広がって、私など古い漫画少年の頃からずいぶんと
変わりましたね。
先生の漫画で、驚いたり、落ち込んだり、うっとりした時などの顔が全然変わってしまう
オーバーアクションが面白いです。
いつ頃からでしょうね、こうなったのは?
マカロニほうれん荘?がきデカ?パタリロ?谷岡ヤスジ先生の作品?
手塚先生も けっこう遊んでいる絵もありましたよね。
(漫画をあまり読まなくなって久しいので分かりません。)

で、「かくかくしかじか」ですが、最も重要な人物である画塾の先生は、強烈な個性の
持ち主で一番影響を及ぼしました。
主人公(東村先生)のデッサンと、創作への姿勢というものを徹底的にしごいたのでした。
漫画にどう影響があったのか分かりませんが、並行して裏腹の関係であったことは間違いありません。
画塾の先生の言葉で、いつも口にしていたのは「描け」「描け」「描け」です。
テーマが決まらないときでも、「目の前にあるものを描け」でした。

これは心に響く言葉でした。
体の奥深くから湧いてくる創作へのエネルギーというか、どんな作品でもどんなテーマでも
その基本的な体力というかそんなものを絶えず動かしていなさいということでしょうね。
作品を創作しようと思っている限り、時間がなくても、テーマが決まらなくてもそうしたいですね。

主人公が漫画から遠ざかっていた時、思いがけない人物からの一言が再び漫画を目指すきっかけに
なりました。
そういう人の存在、大事ですよね。

上の絵は、オマージュとして漫画の中のシーンを模写しました。(鉛筆ですが)
彩色は勝手にイメージしました。
(オリジナルからは かけ離れたものになってしまったかもしれません。お許し下さい)
皆さん、良い本なので是非読んでみて下さい。

ところで、テレビ番組「東京タラレバ娘」「海月姫」も東村先生の原作だったのですね。
知りませんでした。
是非原作を読みたいと思っています。
漫画っていいですよね。

at 18:43, まっちブログ, 工場長 新井

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