錆びたトタン板に絵を描くと





いきなりですが錆びたトタン板が好きです。
寂れた感じが何とも言えません。
(寂れは古くなって趣が出る、味わいがあるという意味です)

どうして好きか? 味わいがたまりません
昭和のレトロも感じます。歳月の存在を感じさせます。
これからの創作のテーマ、モチーフにしても良いかなと思っています。
絵で描いてみたいから好きなのか、好きなので描きたいのか 分かりません。

田舎に住んでいると古い廃屋や家屋、農家の納屋、田や畑にある木材置き場
などの屋根や壁によく見られます。
民家や田畑をよく描くので、錆びたトタン板が入り、アクセントにもなります。

そんなトタン板にちょっと感心させられることがありました。
通勤途上ですが、農家だと思うのですが、屋根・壁ともかなり錆びた
小屋があります。全体が赤茶で覆われています。
いいなあと思っていました。
それがある日、変身したのです。
道路から見る面にムーミンとニョロニョロが大きく描かれているのです。
かわいくて、思わずニコッとなりました。
コロナ禍で、沈みがちな世の中なので明るくしようという意図だと思います。
気持ちが和み、明るくなりました。
多分目にした人は皆そうなるでしょう。

絵の力はすごいなと改めて思いました。
それまでの寂びの世界から、どんでん返しのようにまったく別のファンタジーの
景色になってしまった。これって何なんだと。
このコンビネーションの妙、再生の意味もあるのですかね。作者のセンスと温かみ
を感じます。

絵によって景色が変わる似た例はあるか?
古いですがトラック野郎のパネルに描かれたもの(トラックの重機感が薄らぎ派手に)
工事現場の囲いに描かれたもの(工事現場を少しでもさわやかに?ですかね)
最近、話題のバンクシーの壁画
(話題性がありますね。芸術なので被塗物との関係性を考えたいです)
絵ではないけどプロジェクションマッピング。(どうなんでしょう)

やはり、支持体(被塗物)に何か意味が欲しいですね。
描くことによって、意味が出てくるでもいいと思います。

佐伯祐三の作品に「共同便所(1928年)」というものがあります。
ご存知のとおり大正・昭和初期に主にパリで活動し、短くも燃えた夭折の画家
ですね。(30歳)(パリの街角、壁の表現がすごいです)
油彩を始めたころから好きな画家です。
「共同便所」はパリの街にあって鉄でできています。
囲いの鉄板が渦巻き状に巻かれているのでエスカルゴという愛称もあるそうです。
この鉄が錆びていて、塊に見えます。その表面にポスターが貼られていて
このコンビネーションがいいです。
ポスターがなければ、重厚な重苦しい雰囲気のままだったと思います。
そんな景色に目を付けた佐伯の感性は素晴らしいですね。
現在では都会や街の施設などで、お洒落に錆びた鉄板を使用している例は
そんなに珍しくないかもしれません。
今回紹介した例は個人ベースなので発想の原点が違います。

上の絵は、錆びたトタン屋根の古民家(廃屋)を描き(昔撮影した写真が元)、
その上に超対照的な人物のイラストを合成し、試してみました。
イラストは都会的でビジュアルが華やかなアメリカのミュージシャンP!NKを描きました。
(下のイラストです)
合成はパソコンのソフトを使いました。
景色、変わりましたかねー。ポップな民家になりました。家が大きすぎたかもしれません。
ムーミンほど馴染みがないのですっと入ってきませんですかね



at 20:36, まっちブログ, 工場長 新井

comments(0), -, -

名前にルリが付いた生物




前回のブログでルリハタを書きましたが、ルリの付く名前の生物はけっこういます。
そこで、今回代表的なものに集まってもらいました。

瑠璃(ルリ)という色名は平安の昔から使われていたそうです。
瑠璃はペルシャで採れる鉱物ラピスラズリ(宝石として)のことで、つまり色としては
ウルトラマリン(群青)なんですね。その色は紫味の冴えた青です。
中国経由で平安には既にそれを砕いた顔料が入って来ていたんでしょうね。

生物のネーミングは、その体の一部に青い部分があってルリ色をイメージするからです。
しかし、実際は紫味の青というより黄味がかった冴えた色が多い感じがします。
青ければイメージがよい瑠璃を何にでも付けたがったのでしょうかねー。
何しろ仏教では七宝(7種の宝物)のうちの一つが宝石としての瑠璃ですので。
「ルリ」って言葉の響きもいいです。

生物の青は、色の成分があるわけではなく、構造色という仕組みで発色しているそうです。
表面構造が可視光線の波長より小さな大きさで形成されていると、光が分散・散乱・回折・
干渉が起きて通常の物体とは違う発色をするということです。
CDやシャボン玉、玉虫が虹色に見えるのもこの現象だそうです。
ですので、生物の青は明るい色でも白を混ぜたような色ではなく、輝くような色合いですね。

「日本瑠璃色生物の会」と銘打ってここに代表者に集まって頂きました。
ルリハタ(魚)、オオルリ(鳥)、ルリタテハ(蝶)、ルリボシカミキリ(カミキリ虫)、
ルリイトトンボ(トンボ)、ルリガイ(貝)の皆さんです。
初代代表はルリハタさんで、進行役も務めて頂くことになりました。。
それでは始めて下さい。

ルリハタ「えー、、陸に上がれないものですから皆さんには海辺に来て頂きました。
     御足(羽)労ありがとうございます。
     こんな顔ですが、似合わずきれいな青色をしています。
     しかし、表面から毒が出てしまうので敬遠されがちで困惑しています。
     でも、あの伊藤若冲先生が描いてくださったことを昔祖父から聞いて、
     嬉しくて誇りに思っております。」しかも西洋渡来のプルシャンブルーの顔料を
     使ったことが最近分かったそうです。
     ではそれぞれ自己紹介をお願いします。

オオルリ「野鳥代表で来ました。
     やはり私が代表格かなと思っております。
     夏鳥でオスのみ青いです。いいのかなー。
     友人にカワセミがいますが、きれいな青をしているのですが名前にルリが付いて
     いませんで、この会に参加できないことを大変悔しがっておりました。
     皆さんによろしくとのことでした。」

ルリタテハ「青が部分的に入っているだけなので肩身の狭い思いをしております。
      でも良いデザインでちょう。ちなみにメスも青いです。
      これでも夏の暑い日には涼しげで人間の目にも涼やかで喜ばれているんですよ。
      今日こうして皆さんとお会いして改めて青はきれいだなと思い、なんだか勇気が湧いて
      きました。
      そして海外にはモルフォ蝶のような憧れのスーパースターがいるので心の支えになって
      います。

ルリボシカミキリ「カミキリ虫の仲間です。生木を食べて害虫とされる仲間でないことを最初に
         言っときます。
         デザイン的にはかなりいけてると自分では思っています。長ーい触角が自慢です。
         色も明るい青と黒い斑点で粋だなーと言われます。
         名前もルリと星とで、メルヘンチックで童話の世界のようでしょ。
         樹液や果実を食べること、これは普通です。
         普段は枯れ木などに住んでいます。人間でいえば古民家暮らしのようなもので今風で
         素敵でしょ。一度遊びに来て下さい。
         昆虫の中では人気者ですが、おぼれることなく謙虚にいたいと思っています。

ルリイトトンボ「初めまして。声が小さくてすみません。
        普段は高地などの水辺、湿地の寒冷地に住んでいるので、下山してこのような環境に
        少し戸惑っています。潮風が目に沁みます。
        私のほかに青いトンボはけっこういますが、ルリと付いていないのでどうしても私に
        なってしまい恐縮です。
        最近、生息条件が悪化しているので住みにくくなっています。
        絶滅しないよう環境の保護を是非お願いしたいです。

ルリガイ「あのー、私なんか来てよかったんでしょうか。
     自分ではあまり青々しくなくきれいとは思っていないので、来るのが憚られたのですが思い
     きって来ました。
     いつも足から粘液を出し泡を出して海面を漂っています。筏という人もいます。
     しかもさかさまです。ある意味楽です。食通ではありませんがクラゲを食べてます。

ルリハタ「皆さんありがとうございました。
     皆さんのこと、知ることができて大変有意義でした。
     時間もないので今日は自己紹介だけで終わらせて頂きます。
     これから皆さんと一緒に瑠璃色生物のさらなるイメージアップに努めていきたく
     よろしくお願い致します。
     それでは最後に我々のスローガンの声を発したいと思います。
     ご唱和よろしくお願い致します。
     それではイチニサン

一同   「瑠璃も玻璃も照らせば光る!」
     「我々の未来は瑠璃色だ!」
      やれやれ・・・

at 15:18, まっちブログ, 工場長 新井

comments(0), -, -

しりとりイラスト

しりとりイラストです。


コロナに負けるな!
アマビエ様にはもう少しお世話になります。



ナズナ
果実の形が三味線の「ばち」 に似ているからペンペン草。
三味線草とも。(ペンペンは三味線のこと)春の七草ですね。
子供の頃、果実を鳴らして遊びました。



ナベヅル
鹿児島県出水市での越冬が全世界の90%らしい。
羽の色が鍋につく煤の色に似てるからナベヅル。ネーミングひどくない↑
「ニビヅル」の方がきれいでいいと思うのですが。



ルリハタ
青い色が瑠璃を連想させるからルリハタか。
瑠璃色の昆虫や鳥、花など調べてみるのも面白いかも。
色はきれいだが、表面から毒を出すそうです。こわー。
身は食べられるそうです。でも気を付けて



ダビッド
フランス古典主義の画家。政治家でもありました。なかなかイケメン
ナポレオンに庇護されて、肖像画を描いていますね。
ルーブルにある「皇帝ナポレオン一世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式」は大きくて驚きました。
「レカミエ夫人」きれいですね。でも未完成。(どこが未完成か分かりません)
レカミエ夫人は完成を待てずにダビッドの弟子に新たに頼んだそうです。
こっちも美しーい。



緊急事態宣言が39県で解除されました。
少しは収束に向かっているのでしょうか。でも油断は禁物です。
まだまだ出来る範囲で自粛したほうが良いかもしれませんね。

外出を控えて何かやること、いろいろテレビでも紹介されています。
それぞれ工夫をして心穏やかに過ごしたいですね。

何か絵を描くために手を動かしていたい。何を描こうか?
そんな時、しりとりイラストはいかがですか?
対象物を絞ってするやり方です。
植物→鳥→魚→歴上の人物で一回りというような順序です。
(対象はそれぞれ自由です)(どこでやめて良いです)
しかも、図鑑やSNSを利用して選んでもいいのです。
そして、それらをちょっと調べてみる。
名前を知っていても詳しく知らなかったこと、まったく知らなかったものに
出会うこともできます。図鑑や、SNSを見て描くことでそれらの形態や色彩
などが頭に入り理解が深まります。それらからチェーンで広がっていくこともあります。
知的好奇心が満たされます。

それで、やってみました。気持ちのおもむくまま。
あんまり丁寧に描くと嫌になるので、適当に。
上のイラストです。(鉛筆で描き、ブライトカラーで彩色です。)
「コロナに負けるな」で初めて、後は前述の順序です。
「ナズナ(植物)」→「ナベヅル(鳥)」→「ルリハタ(魚)」→「ダビッド(人物)」

説明を書くと長くなるので、やめておきます。
(イラストに一言だけ添えました。)
知らなかったことを知ることができて満足です。大袈裟ですが邂逅といっていいかな。
絵を描くことも楽しいし。

at 16:25, まっちブログ, 工場長 新井

comments(0), -, -

新緑 2020年



コロナウイルス感染対策の緊急事態宣言が延長され、まだまだ予断を許さぬ事態で
心は浮きません。

通勤時、周りの山を見ればいつの間にか新緑の只中です。
コロナに関係なく植物の世界はいつもの様相です。
風にそよいでいる木々を見ていると目に優しくさわやかで、生命力を感じます。
その少しでも人間の世界に与えてくれたならと思ってしまいます。

いつもなら、里山にスケッチに行き心身共に新緑に染まり薫風も気持ちよく、
リフレッシュするのですが今年はそうはいきません。
車の窓から眺めて満足するしかありません。
緑色は心にやさしく寄り添ってくれる色です。描かれた絵を見ても心が癒されます。
有難い色です。

描かれた新緑で思いつくもの。
何と言っても東山魁夷先生の作品群(特に「萬緑新」)、西洋ではセザンヌの「姉妹たちの池」です。
(画集の説明では夏になっていますが、アクセントのイエローグリーンが新緑の雰囲気です)
新緑の作品はあまりないように思います。むしろ萬緑の方が多いかも。

高村光太郎の「新緑の頃」という詩があります。
その中で
「青葉若葉に野山のかげろふ時、ああ植物は清いと思ふ。
植物はもう一度少年となり少女となり・・」
という表現があります。
「少年となり、少女となり」がいい表現で若い生命力の息吹を感じます。
人間も繰り返せるといいのですが、無理ですね。
でも気持ちはそのように持っていきたいです。毎年リセットでね。
来年は是非、新たな気持ちですっきりと新緑の季節を迎えたいものです。
今はじっと我慢の時です。

上のイラストは久しぶりにポスターカラーで描きました。
タイトルは「若葉とダンス」です。少年・少女とウキウキ感です。
もう少しグラフィカルに描きたかったのですが。画力が足りません。

at 17:13, まっちブログ, 工場長 新井

comments(0), -, -

あまびえ



先日のNHKの日曜美術館で「疫病をこえて 人は何を描いてきたか」が放送されました。
昔、日本も西洋も疫病が流行り人々を苦しめてきましたが、人間はそれを乗り越えてきました。
一つの救いになったのは、絵画の力だったとの内容でした。

日本では疫病を鬼として描き、それを退治する神様が描かれ、(辟邪絵というそうです)人々は
それを見て安心感を覚えたという。
念仏を唱えた人の名簿を鬼に渡し、危害を加えないことを鬼に約束させた場面の絵もあります。
目に見えない疫病を可視化し絵巻物で物語化し、向き合ってきました。
なぜか疫病を表した鬼はユーモアに描かれ、当時の人間の心の余裕も感じられます。
戦うというよりも共生するという姿勢です。

江戸末期に「あまびえ」という妖怪が描かれたかわら版が残されています。
これが不思議な容姿で鳥のようなくちばし、ひし形の目、長い髪、胴には魚のような鱗、3本の脚で、
ユーモラスなかわいい妖怪で、日本らしい。
豊作と疫病の予言をするそうです。姿を見た者は絵を描いて人に見せよと告げる。

今これがブームでいろいろな人がオリジナルな「あまびえ」を描き、SNSに投稿しています。
(特徴は保って、意匠を創作しています)菓子やグッズも出ています。
疫病から守ってくれるよう願いが込められています。
「あまびこ」という妖怪もあって、疫病から守ってくれるそうです。
「あまびえ」は「あまびこ」の書き間違えか、書き換えたと推測されるそうです。

「あまびえ」は疫病から守ってくれるありがたい妖怪なんです。
投稿を見た人は、ほっこりしてその時だけでも気持ちが和らいでいると思います。ありがたいです。

前回のブログでは音楽の力を感じたと描きましたが、絵も人間に力を与えてくれますね。
音楽も絵画にも感謝です。。

私も「あまびえ」を描いてみました。
内容は50代以下の人にはぴんとこないかもしれません。すみません。
でも、皆さんを守ってくれますように願っています。

at 15:39, まっちブログ, 工場長 新井

comments(0), -, -

one world  together at home コンサート



新型コロナウイルスの猛威が治まりません。
そん中命がけで対応して下さっている医療従事者の皆さんには頭が下がります。
感謝してもしきれません。本当にありがとうございます。

先日、その感謝の気持ちを伝え、支援するために欧米のミュージシャンが
ネット上でコンサートをしました。
発起人はレディ・ガガ、参加者はポール・マッカートニー、ローリングストーンズ、
スティービー・ワンダー、エルトン・ジョンなどの大御所から現在大活躍中の
テーラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュなどまで、多くの豪華メンバーです。
感染予防のため、各自の自宅からの中継です。
ネットで同時配信されましたが、私はBSフジの番組を録画して見ました。
(今でもYOU TUBEで見られます)

皆さん素晴らしく、感動しました。
メッセージと歌で感謝の気持ちが心に響き、音楽の力はすごいなと改めて思いました。
ご自身の持ち歌ではなく、カバー曲が多かったのが意外でした。
音楽を広く愛する気持ちが、持ち歌にこだわらず純粋に自然な選択だったのでしょう。

中でも、印象に残ったのは、レディ・ガガ、リゾ、ビリー・アイリッシュです。
やはり3人ともカバー曲です。しかも3人の祖父の時代ぐらいの古い曲です。
皆、自分の個性を生かした良いパフォーマンスでした。
どれも現在の苦難の状況に対する応援歌と思える良い詩です。
50年代、60年代はいい曲が多いです。時代を超えて残ります。

レディ・ガガはナット・キング・コールの「SMILE」(1954年)。
昔コステロも歌ってましたね。

リゾはサム・クックの「A CHANGE IS GONNA COME」(1964年)
熱唱でした。
彼女のことは知りませんでした。2020年のグラミー賞では3部門で受賞したそうです。

ビリー・アイリッシュはボビー・ヘブの「SUNNY」(1966年)です。
彼女は2020年グラミー賞で主要4部門を独占しています。
まだ弱冠18歳で、この歌。 堂々と大人の感じ。まったく自分の持ち歌みたいです。
今どきのポップスのお嬢さんが、どスタンダードな曲をです。
ご自身のアルバム「WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO? 」に
入れても違和感なしで聞けると思います。
若い人が、違和感なしに昔の曲を歌うって、世代間で心が繋がっているみたいでほっとします。

大勢のミュージシャンが、ガガさんの声掛けに素早く反応し実現したこのイベント。
皆さんの日頃からの社会に対する関心の高さが分かります。
そうした心構えが創作のバックボーンにもなって 良い曲ができるのかなと思います。
見習いたいです。

ポールの久しぶりの姿を見て声も聴けたし、何よりも医療従事者への感謝の気持ちが伝わったと
思うと嬉しい気持ちです。
私などができることと言えば、自分が感染しないこと、これ以上感染が広がらないよう慎重になって
防止策に協力を惜しまないことです。医療従事者とインフラを支えて下さっている人々に感謝して。

上のイラストは録画を観て鉛筆描き、ブライトカラーで控えめに彩色です。

at 17:17, まっちブログ, 工場長 新井

comments(0), -, -

読書の工夫






小説を読んでいるとき、登場人物のキャラクターが気になります。
登場人物が多い時など、あれこの人は誰だっけということがあります。
外国の小説になると名前に馴染みがないので、すっと 頭に入らなくて苦労します。
プルーストの「失われた時を求めて」は,一生の内には読んでみたいと思っていますが
登場人物が2,000人余りというから、こりゃ大変です。

解決方法として初登場の時にどんな人物かメモしておくと、次の登場では「あー!あの人か」と
分かって理解の助けになります。
人物相関図にして書くこともあります。

もう一つ私が時々やっていることは、文章に書かれた情報(容貌とか、仕事とか
主人公との関係、、性格・・・など)を元に顔を想像してイラストにしておくことです。
よりキャラクターが立ち、物語が自分なりにリアルになります。
登場の折にふれ、イラストを見ます。
頭の中で想像すればよいのですが、あやふやな場合もあります。。
小説はどう読んでもよく、自分の世界で解釈をしっかりすればよいと思っています。

ある作家が「良い作品にするには登場人物の設定次第」だと仰っていました。
物語は人が動かすのだから なるほどな と思いました。
よく小説家が「書いていると人物が勝手に動いてくれる」「あそこで死ぬとは思っていなかった」
なんて言っています。
そうゆうことにも繋がっていくんですかね。
話がずれたようです。

イラストだけを後で見ると、また小説の世界に浸ることができます。
今度は、ストーリーがよみがえり、人物が身近になり、この人これからどうするのかな
なんて顔をみて思ったりして。
面白いと思いませんか?

今、新型コロナウイルス対策で外出を控え、読書する方も多くいらっしゃると思います。
ご自分のやり方で読書をいろいろ工夫してみるのも良いと思います。

上のイラストは昔読んだ夏目漱石の「こころ」の登場人物です。(人数少ないですが)
これは、このブログのために描きました。ブライトカラーで彩色。
色を付けると、やはり雰囲気が全然変わって、私の絵でもそれなりに見栄えがします。

下のイラストは20年ほど前に「ハドリアヌスの長城」(ロバート・ドレイパー)という小説を
読んだときに描いたものです。
この時は、すみません 色鉛筆です。
登場人物の顔を見ていると、読みたくなりませんか?

at 17:20, まっちブログ, 工場長 新井

comments(0), -, -

ジョージア・オキーフ



コロナウイルスの影響で外出がままならず、本棚を眺めていたら
ジョージア・オキーフの伝記絵本が目に止まった。
「私、ジョージア」というタイトルで、作者はジャネット・ウインター、
翻訳は長田弘さんです。(2015年にお亡くなりになりました)
みすず書房から2001年に出版されました。(購入して19年も経つのか・・・しみじみ)

幼少の頃から98歳に亡くなるまでの芸術に捧げた人生を簡潔に、彼女の信念が分かるように
描かれています。良い絵本です。
彼女はアメリカ人で1887年(明治20年)生まれ、1986年(昭和61年)死没です。

ジョージアと言えば、花をすごく大きく画面いっぱいに描いたことで有名ですね。
日本でいえば大正後半から昭和前半頃でしょうか。抽象画の先駆けだったそうです。
とにかく、幼少の頃から絵が好きでいつも描いていたそうです。
その頃から、芸術家になると心で決めていたそうです。
美術学校を出るも、それまでの美術の価値観では満足しませんでした。
「私が描きたいものは、人に教わったものとは形も、図柄も違っていた」と言っています。
自分を大事にし、強い意志を感じます。

花を注意深く観察し、自分が見たままをみんなにも分かってほしくて、大きく描いたそうです。
それまであった絵画から見れば、インパクトがあって世の中の人はびっくりしたでしょうね。
対象物で画面いっぱいに覆いつくすなんてね。
20世紀美術に大きな功績を残し、「アメリカモダニズムの母」と呼ばれているそうです。

ジョージアは写真家のアルフレッド・スティーグリッツと結婚しました。
こちらも近代芸術写真のパイオニアと言われているそうです。
夫婦そろってまあーすごいこと。
彼が撮った写真でしょうか、彼女のポートレイトが残っていて、それがカッコいいんです。
強い意志の内面が滲み出ている作品です。

大きく花を描くということは、相対的に自分が小さくなって対象物を見るということですね。
今日庭のラッパスイセンを見ていたら、春らしくきれいで改めていいなと思いました。
よく見れば、花が葉から上の位置に咲いており、花だけが際立っています。
色が黄色で形もラッパ型なので、いやでも虫が寄って来ておしべに行きつくと思いました。
植物の戦略ですよね。

ジョージアが虫の目線を意識したかどうかは分かりませんが、相手(花)の気持ちになって
いたことは間違いないと思います。
深く観察すると言うことはそう言うことでしょう。

外出がままならない今、身の回りにあるものを意識して眺め、何か発見できるものを
見つけましょう。この時間を利用して。
ジョージアも言っています。求めているものは身近にある。と。

at 19:02, まっちブログ, 工場長 新井

comments(0), -, -

旅行写真を元に



新型コロナウイルスで外出を控えている状況ですが、休日でも気が滅入りますね。
でも外出しない分、家でできることもあるはず。
積んでおいた本を読む、溜まった録画を観るなどなど。

私の場合、いつか読もうと思ってとっておいた新聞記事をゆっくり読むことができました。
絵の具に親しんで絵でも描いてみるのもお勧めしたいです。
先週、先々週のブログのため昔のイタリア旅行の写真を見たのですが懐かしさで他の
旅行写真も続けて見てしまいました。

そこで、外にスケッチに行かない代わりにその写真を元に気楽に描いてみました。(気楽が大事です)
描いたのはサン・ユベール礼拝堂です。
季節は冬でした。(フランスは冬の木立がきれいですね)
フランスのロワール地方にある古城アンボワーズ城に隣接しています。
ダビンチが晩年を過ごしたところで、ここに遺骨が納められているそうです。

ところが数十年も経っているので写真が色褪せてセピアっぽくなっています。
それも面白いかなと思い、実際の色とは違いますがその雰囲気で描いてみました。
線描きを色鉛筆のパープルで描き、彩色も抑えた色で描きました。
自分では普通 描けないテイストの絵になったと思います。
絵の具はブライトカラー使用です。

記憶がよみがえり、もう一度プチ旅行した気分になりました。
コロナに気を使うことなく。

at 18:50, まっちブログ, 工場長 新井

comments(0), -, -

ぼんやり



NHK朝ドラ「スカーレット」が放送終了になりました。
半年間、楽しく拝見させて頂きました。ありがとうございます。

その中で、印象に残っている言葉があります。
主人公 川原喜美子(戸田恵梨香さん)が勤めた丸熊陶業の絵付け指導者 深野心仙(イッセー尾形さん)の
言葉です。
会社を去ることになり、行く末の身の処し方を語った時です。
「こんなことをぼんやり考えていた」のだと最後に言った言葉です。

「ぼんやり考える」普段なかなか使いません。
ぼんやりという言葉、辞書で調べれば 間が抜けている、ぼやけている、気持ちが集中していない
などマイナスイメージばかりです。
でも、ドラマでの言葉は悪いイメージではなく、何かを変えたいと思う前向きなイメージが先に来ました。
なぜか心に響きました。
普段から心のどこかに引っかかっていて、希望も少しあってという感じです。
何かを行動に移すのにそれを考える過程が大事な感じがします。肩肘張らずに自然に。
最後はぼんやりをはっきりさせていく。

絵画でもぼんやり描く表現があり、効果的に絵の魅力を高めています。
これもマイナスイメージではありません。
一番初めに思い出すのは長谷川等伯の「松林図屏風」です。
霧なのでしょうか奥にある松の木をぼんやり描いて近くの松の木を引き立てています。遠近も。
かと言って、主従の関係ではなくどちらも主張しています。
空白も生きていて空間を感じさせる。見る人が頭の中で作り上げる作品です。
大傑作ですね。(日本人に人気の絵ですね)

坂本繁二郎の馬の絵もぼんやり描かれています。
これは松林図とは違い全体がぼんやりとしていて、効果は全然違います。
馬が光に包まれ、やさしく温かい感じで自然と一体の生命を感じます。
そして馬への愛情が伝わってきます。ぼんやりはマイナスイメージではありません。

上の絵は昔ベネチアに行った時の写真を元に描きました。
3月で霧に覆われていました。
遠くにサンタ・マリア・デラ・サルーテ聖堂が見えますが殆どシルエットで、
ぼんやりして威厳よりもやさしい雰囲気です。
ぼんやりはいいです。


at 17:37, まっちブログ, 工場長 新井

comments(0), -, -