信濃三十三番札所 二十三番宝蔵寺

 





久しぶりに信濃三十三番札所に行ってきました。
上田市にある二十三番の龍洞山宝蔵寺です。
開山は834年(承和元年)平安時代ですね。宗派は浄土宗。

山裾の小高い中腹にあり、急な石段を登っていくと(息が切れます)
小さな広場に観音堂があります。(別名岩谷堂)
このお堂1776年に建立されたと言いますから、241年経ちます。
後ろの断崖にくっついて建てられていて小ぶりなお堂です。
どうして、岩にくっついているかわよく分かりません。
浸食された岩の洞窟が古墳時代から暴葬に使用されていたと考えられる
らしく、それと関係あるのでしょうか。
お堂は信濃三十三番札所には少ない朱塗りの建物です。(屋根は銅葺き)

神社仏閣の朱塗りは多分、中国から伝わった様式なのでしょうね。
朱色が魔力・災厄を防ぐ色と考えられていたらしいです。
華やかな雰囲気にもなります。
朱塗りは神社には多いですが、お寺には少ないのは、明治の廃物希釈の影響だとか。
個人的には、古い文化財は時代経過で風化されている方が好きですが仕方ないですね。
興福寺の阿修羅像も修復した方が良いか、そのままが良いかなんて議論があるようですよね。
朱塗りと言っても このお堂、新し感があり、ほんとに241年前?という感じがします。
多分そんなに昔ではなく、塗り直ししていると思います。
このお堂、もう一つ見どころは、飾り彫刻です。
日光東照宮に比べれば、比べものにはなりませんが、鬼、鬼神、弁天様、狛犬、象、鶴、
唐草文など塗り直しでかなり派手ですが、これは紺(青)・丹(朱)・緑・紫(臙脂)+白で、
いにしえの繧繝彩色の手法ですかね。
これは塗り直しでも往時がしのばれていいかもしれません。(どっちやねん?)
形態も素朴でどこかユーモアがあって面白いです。やはり漫画の国ですね。

このお寺、まだほかにもエピソードがあります。
その内の一つ。
木曽義仲が平家追悼のため、信濃・関東の兵を集め京都に向かう時に、ここに寄り戦勝祈願
したそうです。
その時の手植えの桜(エドヒガン)が樹齢800年となり残っています。春は花がきれいだそうですよ。
ともえちゃん、失礼巴御前も一緒に植えたのかなー。
上のスケッチは、朱色を控えめに描きました。

皆さんも、近くに古刹、名刹などあれば、訪ねて往時を偲ぶものも良いと思いますよ。
スケッチもお忘れなく。

at 19:06, まっちブログ, 工場長 新井

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キンキャラ



桜のシーズンも終わり、新緑の季節ですね。
若葉、新芽の色は清々しく毎年心和みます。
花も華やかで良いですが、若葉、新芽も良いものです。

我が家の庭にキンメキャラボク(イチイの変種)という木が植わっていて
その新芽が、鮮やかな黄色で花のように見えます。
通称キンキャラと言うそうです。(キャラクターではなくキャラボク)
新芽が黄金色に輝くようにきれいなのでキンメ。
色は若干緑がかっていて、和名でいうとキハダ色か苅安色がより近いかもしれません。
これから緑が濃くなっていきますので、今が見頃です。
触ると柔らかく優しいです。
色もタッチも気持ち良くなんとなく幸せな気分に。
盆栽にもなるようです。
キャラボクは庭に植えておくと、疫病を除くという縁起の良い木だそうですよ。
ありがたや。ありがたや。

この清々しい時期もアッという間に過ぎてしまいます。
目に青葉・・・・・と、江戸っ子は初物を愛でる粋な感覚がありますが、見倣って
今のうちです。季節を楽しみましょう。

at 23:27, まっちブログ, 工場長 新井

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吉田博



上田市にあるサントミューゼ上田市立美術館で「吉田博展」が開催されています。
(6月18日まで)
昨日行ってきました。

ご存知かと思いますが、明治〜昭和にかけて活躍した「絵の鬼」と言われた画伯であります。
今年は生誕140年だそうです。(明治9年生まれ)
長らく、あまり注目されないできたそうですが、現在ではその画業の偉大さは広く知られる
ところであります。
実は私も知りませんでしたが、吉田ふじを画伯の旦那様だということを以前知って、それから
興味を持ちました。
漱石の小説「三四郎」にも二人の作品をモデルにした場面がありますね。

改めて鑑賞しますと、その幅広い才能に驚きます。
水彩、油彩、日本画、木版画とオールマイティー。
モチーフも、山岳、山村、神社・仏閣、風景、静物、植物、動物、人物、寓意画となんでもこいです。
風景画が多いのですが、日本・アメリカ、欧州、中国、インドなどそれぞれの環境での感受性が
豊かで味わい深い作品を創作しています。
それにもまして感じましたのは、そのチャレンジ精神です。
欧米に渡航しての成功、山岳画の開拓、新版画の創作などなど。
版画も自分で刷っちゃいます。(新版画は浮世絵スタイルで分業でしたが)
当時の大きな勢力であった「白馬会」に対する反骨心にも感心します。
従軍画家として戦争画も描いていますが、戦後はどのように振り返ったのでしょうか。

新版画など、見ていて不思議な感覚になります。
水彩を見ているようで、浮世絵版画を見ているようで、また西洋画を見ているようで、モチーフは
洋の東西を問いません。
画伯の獲得した幅広い感性の融合であります。繊細でダイナミック。新感覚の版画。
世界でもびっくりしたことでしょう。
あのダイアナ妃もお気に入りだったそうです。
明治、大正期からこんな素晴らしい作品を描いていたとは(没年の前の年 昭和24年まで創作)、
現代の私たちはどうすればいいのでしょうかね。

素晴らしい作品を目にして、本当によかったです。
版画も良いですが、水彩絵の具屋としては、やはり水彩画が気になります。
作品で大事なことは大きく捉えた構図・構成、色彩計画で細部はその次ですね。
(もちろん表現しようとしている狙いが元です)
描かないことも大事です。
見ていて、背景がうまいなーと思います。
あまり描かないでさらりと描いています。それでいてマッチしていてバランスがいい。
見習いたいです。
それから、白の使い方。白を塗った後上から濁しているところがあります。
紙の白を透かして色を塗るのではなく、不透明の白を塗ってその上から色を塗って濁して
います。失敗ではなく、たぶん意識してやっていると思います。
紙の色が変色した後でも、影響は受けにくいと思いますが、関係ないでしょうかね。

吉田博さん、注目してほしい世界に誇れる画家です。
以前このブログでも妻のふじをさん(2013.11.3)と三四郎(2015.2.8)の話題を書きました。
よろしかったら御覧下さい。

at 21:48, まっちブログ, 工場長 新井

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信綱寺の桜



大河ドラマ「真田丸」が終わって早4カ月。
真田丸ロスとか言って、気が抜けてしまった人も多いと聞きます。
信州上田市も昨年は地元ということで、大変賑わいました。
しかし、今も盛り上げようと頑張っている様子。
真田家、愛されていますねー。
昨日4月29日も「上田真田祭り」(なんと35回目)で賑わっていたようです。
草刈正雄氏も信州上田観光プレジデントとして真田昌幸役でパレードに加わった
そうです。人気衰えませんね。

この分だと、市内のゆかりの地も まだまだ訪れる人が多そうです。
昨日たまたま、上田市真田地区にある信綱寺(しんこうじ)に行ってきました。
このお寺、やはり真田家に大いに関係のあるお寺でして、信繁(幸村)の伯父の
信綱と昌輝(昌幸の兄二人)が祀つられ、墓があります。
興味がある方は、ネットでご確認ください。
敷地はかなり広く、南側に「黒門」と言われている総門があります。
この周りは桜がきれいで見に来る人も多いようです。
昨日は嬉しいことに まだ咲いていまして、まさに散りかけで花弁が風で舞って
いました。
朝10:30頃に行きましたが、帰り12:30頃にはかなり花が減っていました。
桜、終わった所が多いですが、まだ見ることができて得した気分に。
ここは、たぶん四季がそれぞれ美しいと思います。
皆さま是非訪れてみてください。

上はその時のスケッチです。
桜のピンクは濁したくないので、紙の白を生かすよう一番先に薄く塗り、形も先に
決めておきます。
(後から描くと余分な色が既に乗っていることがあり、じゃまになり重ねても
きれいな色が出ません。)
後からその周りを塗ります。
ブライトカラー使用。ピンクはローズです。単調にならないよう少し色の変化を
つけています。
パレットに花弁が落ちてきて、ピンクにピンクが、絵の具と花弁の競演、うーん
この時期ならではの春を感じます。

at 19:16, まっちブログ, 工場長 新井

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蛙目覚める




春が深まっています。
先日、昼休みに裏庭の草を刈っていたら。
アマガエルが数匹、ノソノソ出てきました。
今年初めて見る蛙です。
もう冬眠から起きていたのか、起こしてしまったのか、動きが鈍いです。
色も茶色や緑とまちまちです。

俳句の季語で「初蛙(はつかわず)」というのがありますが、これは
初めて蛙の鳴き声を聞いた時のことを言うのだそうです。
まだ、鳴かなかったので、これにはあたりませんね。
初めて見たのはなんと表現すればよいのですかね。

まだ、起きたてで調子が出ないでしょうが、これから徐々に慣らしていって
ゲロゲロ喧しく鳴くんだよね。
さらに春が深まる感じになりますねー。

そういえば人間も、新入生、新社会人、新年度、新プロジェクト、など新しい
環境に慣れてきて、バリバリ活動を始める頃になりつつあるのではないでしょうか。
蛙に負けないように、しっかりやりましょう。

at 21:57, まっちブログ, 工場長 新井

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杏の里





春本番になり、我が工場のある千曲市の名所 「あんずの里」の杏も満開になりました。
今年はちょっと遅れて、桜と同時期になって、それはもうにぎやかです。
そこで今日スケッチに行ってみました。
一目10万本と言われる杏の木が山間の集落に広がり、ピンクの花で染まっています。
県外の車も目立ち、大勢の人が散策を楽しんでいました。
みなさん 写真撮影していますが、スケッチをしている人は見かけませんでした。
たまたまでしょうね。
写真は、遠く戸隠連峰や飯綱山を背景にパノラマで撮るか花のアップ写真を撮っている
ようでしたが、へそ曲がりのわたくしは目立たぬ隅っこの場所を選び、描きました。
華やかな雰囲気も良いですが、ひっそりとした人気のない佇まいもまた良いものです。
と思うのです。
東山魁夷画伯の絵で、旅先でひっそりと何気ない風景で桜の木を1本描いた作品が
あったと思いますが、素晴らしいものでした。
そんな感覚が好きです。
そうした所も、味わい深い季節感や空気感が潜んでいます。
自分の気持ちとも呼応するのでしょね。それを絵で表現できたらいいですね。
絵にできる題材はその辺にいくらでもあるかもしれませんが、自分の感覚も磨いておかないと
見つかりませんですね。

上のスケッチは今日のですけど、いろいろ言ったわりには普通でしたね。面目ない。
丁寧に描くのが苦手でして、いつもおおざっぱに描いてしまいます。いけませんね。
今年の春もすぐに行ってしまいます。
みなさん逃がさないように、お出かけして、描いて絵で残しておくのも良いですよ。

at 17:57, まっちブログ, 工場長 新井

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カタクリ



先週、地元の佐良志奈神社でカタクリ祭りがあり、行ってみましたが、
まだほとんど開花していなくて、寂しく帰ってきました。
昨日、今日とずいぶん暖かくなったので、たぶん今は咲いているかもしれません。

それに比べ、我が家のカタクリ(1株ですが)は 奥ゆかしいというか、主(あるじ)に
似て のんびりしているのか、だいぶ遅れています。でもかわいいやつでよ。

ここにきて、やっと葉が出て、次に蕾も付けました。
その姿は、折り鶴のようで、今にも羽ばたいて飛んでいきそうです。
物言わぬその佇まいが、逞しくさえ感じます。

しかし、すぐに花が開いてその容姿は変わってしまいます。
その姿も美しい紫色の花が反り返っていて、バレリーナのように可憐です。
カタクリ、変身 忙しいー。

カタクリの語源は「カタカゴ・・・傾いた籠」が変化して「カタクリ」になったそうです。
片栗粉は球根から採る澱粉だそうです。今はジャガイモやサツマイモからの澱粉だそうです。
へー!そうなんだ。知りませんでした。
蟻が種を運び、繁殖に一役買っているそうです。

スプリング・エフェメラルとして咲いてくれますが、すぐにその時期は終わってしまいます。
葉もそのうち枯れ、後は球根がひたすら地中で春を待つばかりです。
儚いですね。ありがとうカタクリ。肩をたたいてやりたいです。

at 19:17, まっちブログ, 工場長 新井

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春本番



工場の近くに佐良志奈神社があります。
千曲市の更級地区の南側に位置し、延喜式にも載っている古ーい
由緒ある神社です。
そこの境内で、毎年カタクリ祭りが4月初旬に開かれます。
この時期春を告げるスプリング・エフェメラルとして開花し、
愛好家には人気のスポットだと思います。

今日、暖かくなったので行ってみました。
しかし、まだ開花が少なく、ちょっと物足りない感じでした。
東京では早、桜が満開だというのに、今年 この辺りは遅れているのかな。
仕方なく、道路の反対側にある千曲川の河川敷に降りてみました。
このエリアは杏の畑もあり、千曲市の杏の本丸 「杏の里森地区」と
比較すればその数は少ないのですが、堤を歩きながら見下ろして
景観を楽しめる穴場的スポットだと思います。

行ってみたら、杏が少し咲き始めていました。
こちらは、嬉しい開花で気持ちもほころびました。
木の種類があるのか 低木が咲き始め、高木はまだ咲いていません。
でも、カタクリも杏もこれから一気に咲き始めるでしょう。
因みに、「杏の里」の満開予想は4月10日らしいです。

上のスケッチは堤を降りて、時間がないので早描きしたものです。
(ブライトカラー使用)
(樹3本が等間隔で、高さも揃ってしまい、あまりよろしくない構図ですね)
さあ、春本番 スケッチにも出かけやすい季節になりました。
みなさんも是非お出かけして、沢山スケッチして下さい。
マッチ絵の具をお供に。

at 18:47, まっちブログ, 工場長 新井

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淡雪




今朝、起きたらビックリ。
なんと、雪が舞っています。
春なのに―。
でも、積もらないで直ぐ溶けてしまう牡丹雪です。
別名、淡雪(あわゆき)とも言いますよね。
きれいな言葉です。春の季語です。

名曲「なごり雪」はこんな雪なんでしょうね。
今は、行く冬をなごり惜しみ、雪の一片に儚さも感じる時節です。
春めいて嬉しいのに、なぜか惜別の淋しさ。
春なのに〜♪

暖かくなったり、寒くなったり、もう じらされて。
季節は はっきり分かれるわけではなく、その境がグラデーションのように
存在します。色彩も同じですね。
その境こそが、変化があって味わいがあるのかもしれませんね。
でも、こんな気分に しみじみしてしまう日本人の感性って素晴らしいと
思いませんか?

上村松園の作品に「庭の雪」とういう美人画の作品があります。
牡丹雪なのと、着ている着物の色から判断して春先だと思います。
袖に手を隠し(萌え袖?)、胸に当てているしぐさで 寒いのだとは思いますが、
画面全体からは温かさが伝わってきます。
若い娘の透き通るように白い肌が美しく、頬と耳が仄かに赤みがさして着物の
落ち着いた空色との対比が清しいです。
樋口一葉と半井桃水の話も連想してしまいます。
雪の数は五つ程しか描いていませんが、季節感充分伝わってきます。
冷たさと暖かさの対比。季節感。日本画の世界、素晴らしいですね。

淡雪、見ながら自分、何をしたか? 結局、炬燵でぬくぬくしていた日でありました。
つまらないやつですみません。

at 19:06, まっちブログ, 工場長 新井

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桜のつぼみ



お彼岸ですね。
昨日お墓参りに行ってきました。皆さんはお済ですか?

その時、そばにある大きな桜の木を見ると、沢山の芽がついています。
あー もうじき咲くなーと触ってみるとまだまだ硬い。
あと3週間程なのに大丈夫かなと思うのですが、心配は御無用。
自然はちゃんとしてます。

思えば この芽は昨年の夏(7月)には出来ているんですよね。
早めにやって準備が良いです。私たち仕事でも見習いたいものですよね。
でも秋に咲かないのは なーんでか?・・・・・なーんでか?・・・・・

それはね、越冬芽だから、冬を越せて暖かくなった春に咲くんだよ。
すごーいサクラの木のメカニズムなんだよ。

越冬芽になるには、秋に葉から出るアブシシン酸という物質が芽に
行きわたり、作用して、寒さから守る越冬芽になるらしいのです。
その時期は落葉の前、夜が長くなるのを葉が感知した時だそうです。
正確なセンサー、恐れ入りました。
暖かくなって春に花が咲き華やかなデビューをしますが、長い期間芽で過ごす
下積み時代があるんですよねー。越冬芽にあっぱれを3つやって下さい。

ところで、秋に桜が咲いて話題になることがありますが、芽が出来た後に台風や
虫喰いなどで葉っぱがなくなってしまい、例のアブシシン酸が出来なくなって
越冬芽が形成されないためだそうです。
で、秋になって春のように暖かい日に咲いちゃうんだそうです。
これも運命(さだめ)ですかね。うーん演歌的。

花の後は、さてどん尻に控えしはと言うことで葉が出てきます。
これも、花に虫が来やすいように気を使って後から出るのだそうです。
なんと奥ゆかしい。これにも涙です。うーん演歌的。

彼岸が過ぎると、本格的な春です。
桜。もうじき咲きます。楽しみです。
お墓の御先祖様たちも、密かに生前と同じように愛でて目を細める
ことでしょう。

at 19:40, まっちブログ, 工場長 新井

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